全社員パラレルキャリア!?人版クラファン「TOMOSHIBI」が実践する、新たな組織のかたち

BitWork編集部の桐本です。

連載『ミレニアル世代が行きたい!副業解禁企業』では、「副業」「複業」「フリーランス」など、一足早く柔軟な働き方を受け入れている企業の実態に迫ります。

第2回目は、”仲間集め”プラットフォーム「tomoshibi」を運営する株式会社TOMOSHIBI様です。副業解禁に中々踏み切れない会社が多い中、代表を含めた全社員がパラレルキャリアという注目のスタートアップ。

今回は、創業者である田中さんと会社員として働きながら同社広報を担当する木村さんにお話を伺いました。

【田中駆(たなか・かける)】株式会社TOMOSHIBI 代表取締役CEO。1992年 神奈川県横浜市生まれ。新卒で福利厚生業界最大手である株式会社ベネフィット・ワンに入社。営業、経営企画、DX推進担当を歴任する。入社1年目からフリーのフォトグラファーとしての活動や、学生時代から活動を続けていたカンボジアとの関わりを本格化させる為に一般社団法人を設立するなど、若くしてパラレルワークを実践する。2018年の8月に人版のクラウドファンディングサービス「tomoshibi」をローンチ。

【木村茜(きむら・あかね)】株式会社TOMOSHIBI 広報。1993年 神奈川県茅ヶ崎市生まれ。新卒で大手人材会社に入社し、働く女性向けのライフスタイルメディアを担当。その後入社2年目より学生時代から交流のあった複数の国際協力系NPOへプロボノとしての活動を開始、入社3年目で株式会社TOMOSHIBIへ広報担当として参画し、パラレルキャリアを実践している。

インタビュアー
【桐本瑛生(きりもと・えいき)】株式会社エージェント BitWork編集部。ミレニアル世代が気になる企業の副業の実態について質問していきます。

人版クラウドファンディング!?プロジェクト単位で仲間を集めるプラットフォーム

桐本
よろしくお願いします。はじめに御社が運営されている「tomoshibi」というサービスについて教えていただけますか?
田中さん
はい、すごく簡単に言うと「人版のクラウドファンディングサービス」です。
桐本
人版…といいますと、どんなイメージでしょうか?
田中さん
クラウドファンディングのように様々なプロジェクトの募集があって、想いに共感した人が「お金」ではなく、自身のスキルやできることを通して関わっていく仲間集めのプラットフォームです。
田中さん
クラウドファンディングの弱点の1つに、お金がないと参画できないところがあります。プロジェクトを見て、「これいいな!協力したい」と思っても、究極お金がないと踏み切れない、たとえ3,000円だろうと。
桐本
たしかにそれはありますね。
田中さん
でも、何かしらスキルをもっていれば力になれるんです。例えば僕だったら写真を撮れるので、お金がなかったとしても、カメラマンとしての僕だったら協力できるよ、というケースって結構ある。
桐本
なるほど、それで人版クラウドファンディングなんですね。

スタートアップに大人気!リリース後の意外な反応

桐本
「tomoshibi」のリリースはつい先日ですよね?
木村さん
8月6日ですね。
桐本
反響はいかがでしたか?
田中さん
想像通りの部分もありつつ、想像してなかったところからのニーズのほうが強かったですね。
桐本
想像していなかったニーズ…!具体的に教えていただけますか?
田中さん
そもそも「tomoshibi」は、ソーシャルな活動の仲間集めを支援するというのが一番最初の起点なんです。というのも、僕がNPO法人や一般社団法人の活動をやってきた中で、自身も周りも人集めに苦労していて。

それがいざリリースしてみると、スタートアップやこれから事業をつくっていきたいという人が、最初の仲間集めに使いたいというケースが非常に多くて。

桐本
創業フェーズの仲間集めというと、最近ではSNSを利用して呼びかけたり、採用媒体を利用すると思うのですが、それらとの違いはどんな感じでしょうか?
田中さん
まさにその間のイメージですね。採用媒体に出すまではいかないけど、Facebookで投稿して友人を集めるだけでは足りない、というときに使っていただいています。
桐本
たしかに、間が抜けていた感じがします。田中さんは、tomoshibiを通して利用者や社会がどうなってほしいと考えていますか?
田中さん
大きく分けて2つあります。募集側の観点でいうと、想いを持って挑戦している人に仲間が集まりやすくなることで、誰もが挑戦しやすい社会を創りたい。

応募側だと、たとえ会社員であっても、平日の夜や休日を活用して、様々な方法で新しいことに関わってみる、チャレンジしてみる、ということができるようにしたいと思っています。

今後は人事領域に拡大、教育事業も展開

桐本
今後の展望を聞かせていただけますか?
田中さん
ここから先は大きく2つ、「tomoshibi Career」と「tomoshibi Academia」という事業を展開させようとしています。
桐本
「tomoshibi」とは、どのような違いがあるんでしょうか?
田中さん
「tomoshibi」は個人、NPO、スタートアップなどが、小さく仲間集めするプラットフォームですが、「tomoshibi Career」はその延長線上で、企業がプロジェクト単位で副業採用したり、プロジェクト社員を雇ったりするときに利用するプラットフォームです。
桐本
より採用媒体に近づくイメージですね。
田中さん
そうですね。
桐本
「tomoshibi Academia」はどんな事業でしょうか?
田中さん
現在教育現場で少しずつ取り入れられている「課題解決型学習(PBL)」の一つの教材として、「tomoshibi」を活用したプロジェクト型学習のカリキュラムを教育現場に展開していきたいと思っています。

子供たちの学習をより経済活動に近づける一助にしていきたいのと、プロジェクトワークをより深く浸透させて行くことが目的です。

桐本
とても興味深いです。どのような時間軸で展開していくのですか?
田中さん
3年くらいですかね。今はスタートで「tomoshibi」を立ち上げて、来月くらいから「tomoshibi Career」は始めていきます。「tomoshibi」も強くする一方、早めに動いていく予定です。

代表含め全社員パラレルキャリア、新たな組織のかたち

桐本
メンバーについてもお聞きしたいのですが、今どのくらいいるんですか?
木村さん
10人ですね。
桐本
どうやって集まってきたんですか?
田中さん
結構バラバラで、立ち上げは僕と大学から友人のエンジニアだったんですが、早い段階で木村が応募してきてくれて。
木村さん
構想段階のときにFacebookでアンバサダーの募集をしていて、それに応募したんです。
桐本
木村さんはどういったところに惹かれたんですか?
木村さん
学生時代NPOの人たちと一緒に活動していたのですが、人手が足りずに上手くまわっていないのを目の当たりにして、そこのNPOの人たちの問題の根本を解決したいとずっと考えていて。

社会人になってまずは普通の会社で働いてそのNPOに入ろうか、他のNPOで学んでそっちにジョインしようかとか考えていたときにtomoshibiを知ったんです。

桐本
グッドタイミングですね。
木村さん
このサービスがあれば、1つのNPOではなくて、そういう困ってた人たち全体を支えられる、それならサービスをつくっちゃったほうが早いし影響力も大きい、と思ったんです。
桐本
そのときは、既に会社入られていたんですか?
木村さん
入っていました。
桐本
行動力すごいですね。木村さん以外もそういう人は多いんですか?
田中さん
そうですね。みんな結構勢いで来ていると思います。ほぼ全員会社員ですし。
桐本
そうなんですか(驚)!軸足を置いている会社は他にあって副(複)業先としてtomoshibiにジョインしているんですね。逆にtomoshibiを本業としているメンバーはどのくらいいらっしゃるんですか?
田中さん
ほぼ僕だけだと思います。ちなみに僕もパラレルしてます。
木村さん
一番パラレルしてますよね(笑)
田中さん
そうかもしれないです(笑)「TOMOSHIBI」の他に一般社団法人やっているのと、フリーのフォトグラファーと、新規事業コンサルやっています。
桐本
まさに全社員パラレルキャリアですね。会社として、副業にまつわるルールとか設けていますか?
田中さん
とくに設けていないです。みんな、できる範囲でできるときにできることをやっていくスタンスです。
桐本
今後、人が増えていったらどうしていく予定ですか?
田中さん
最低限必要なコミットは今後増えていくので、うちに軸足を置く人はもう少し必要だと思っています。ただ、100%フルコミットの正社員を取る必要があるかというと正直ないと思っていて、パラレルで関われる人がいてくれたらと思っています。

メリットが多い!パラレルキャリアは本来あるべき働き方

桐本
「tomoshibi」メンバーのようにパラレルに働きたいという人は20代を中心に本当に多いと思うのですが、お二人のご経験も踏まえてパラレルキャリアに対する考えやメリットなどを教えていただけますか?
木村さん
今まで社会の風潮として、大手企業に入ったら始めの5年間くらいは下積み時代で、ひたすら言われたことに耐えてからこそ一人前みたいなのは限界がきている気がしていて。

若手のときにどれだけスキルを伸ばすかという観点では、1つの会社で1つのスキルを伸ばすよりも、パラレルに働いてスキルの幅を増やしたほうが、メリットが大きいと思うんです。

桐本
リスクヘッジにもなりますよね。
木村さん
そうですね、これから働く年数も伸びていく中で、1つのスキルだけってすごくリスク。自分の仕事がいつAI・ロボットに代替されるか分からないし。

あとは、他の会社をみて、今の会社が全てではないと思えたこともよかった。企業ごとに性格があって価値観に染まっちゃう人が多いと思うので、新卒はとくに

桐本
田中さんはどうですか?
田中さん
色々あると思うんですが、一番シンプルな答えは、やりたいことって絶対1個に絞れないと思うんですよね。

好きな食べ物何?と聞かれて1個スパンと言える人ってそんないないと思うんですよ。大体ハンバーグも好きだし、からあげも好きだし、スパゲティも好きだし、じゃないですか。

桐本
分かりやすいですね(笑)
田中さん
キャリアもそれでいいと思っていて、やりたい仕事はいっぱいあるし、やってみなければ分からない仕事がほとんどじゃないですか。

だから、色んな仕事をちょっとずつ挑戦してみるというのは、本来だれにも縛られるべきものではない。自分が使える時間とかお金の中で挑戦できる限りすればいいし、その決定権は自分にあると思っています。

桐本
とても共感します。ただ、大抵の人は会社の就業規則で禁止されていて中々動きにくいと思うんです。木村さんの会社はどうですか?
木村さん
申請をすればOKという感じですね。
桐本
そういう会社が増えてきていますよね。

田中さんは過去に新卒1年目からパラレルキャリアで働かれていたと伺ったのですが、会社は副業を認めていたんですか?

田中さん
禁止もしてないし、推奨もしていない状態でした。とにかく前例がなかったんです。

僕はカメラをずっとやっていたので、Facebookで「案件あったらぜひ」みたいな投稿していたんです。そしたらそれを見た人事の方から呼ばれて、「カメラマンやってるらしいね?」って言われて…

桐本
呼び出しですね(笑)。
田中さん
「別にいいんだけど、書類つくるね」って言われて。
桐本
田中さんが切り開いたんですね!
田中さん
可能性はありますね(笑)。同時期に同じような人がいたのかもしれませんが。

パラレルキャリアのデメリットや注意点

桐本
逆にパラレルキャリアのデメリットや注意点はどういうところですか?
田中さん
管理しなければいけない予定は増えるので、大変といえば大変。ただ使える時間はみんな変わらないから1つの仕事だけやるのも、複数やるのもそれほど変わらないと思います。
桐本
木村さんはどうですか?
木村さん
注意点として、上司の理解は1つ挙げられますね。私の場合は上司が理解のある人だからよかったけど、認めてくれない人も多いと思います。

事前に双方でのメリット、デメリットの共有や成果におけるコミットラインを決めておくことも後々のトラブルとならないよう対策として必要だと思います。

桐本
経営目線で社員の副業やパラレルワークを考えたときはどうですか?情報漏えいや人材流出の観点からリスクを感じている人事や経営者は多いと思います。
田中さん
そういったリスクで踏み出せないのは的外れだと思っています。社員に副業やパラレルワークさせることはむしろメリットの方が大きい。

うちは全員パラレルだから成り立っています。TOMOSHIBIだけの仕事だとみんな未熟だけど、それぞれ他で得た知識を生かしてくれています。きっと他の会社でも同じことが言えると思うんです。他での経験を生かしてもらう関係性を築くことは大切です。

20代でパラレルキャリアにチャレンジすべき、始めの一歩を「tomoshibi」で

桐本
最後になりますが、副業やパラレルワークとった新たな働き方に興味をもっているミレニアル世代に向けて一言いただけますか?
田中さん
視野を広げる、もっと先にある視座を高めるという観点でパラレルキャリアってメリットが多いです。

それをリスクの少ない20代のうちやっておいたほうがいい。これから先、背負うものが大きくなればなるほど動きづらくなるので、今が一番いいタイミングだと思います。

木村さん
私自身、行きたい会社もやりたいこともありすぎて、人生何回あれば足りるの?って感じです(笑)。

今、働き方が変わってきていますが、自分たちの世代から変えていかないといけないと思っていますし、上も巻き込んでいきたい。

「tomoshibi」は、様々な関わり方ができる新しい取り組みがプロジェクト単位で募集されています。

会社員をしながら、他に本業を持ちながら少し関わってみる、ということができる今までにないプラットフォームです。ぜひ、その最初に一歩を「tomoshibi」で踏み出してもらえたら嬉しいですね。

桐本
心に響きました。「tomoshibi」私も使ってみたいです!本日はありがとうございました。

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